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頬の内側に突然現れた黒い口内炎の恐怖
先日の夕食時、急いで好物の唐揚げを食べていた私は、不意に左側の頬の内側を思い切り噛んでしまいました。その瞬間に走った激痛と、口の中に広がる生臭い鉄の味に嫌な予感を抱き、食後に鏡を覗き込むと、そこには見たこともないほど濃い、真っ黒な色の口内炎のようなものが鎮座していました。これまでの人生で経験してきた口内炎は、決まって中心が白くて周りが赤いものばかりだったため、この異様な黒さは私をパニックに陥れるのに十分な視覚的インパクトを持っていました。すぐにスマートフォンを取り出し、検索エンジンに「口内炎 黒い」と打ち込んでみると、出てくる情報は「血豆だから心配ない」という安心させるものから、「口腔がんの可能性」という背筋が凍るような警告まで多岐にわたり、調べれば調べるほど不安の渦に飲み込まれていきました。翌朝になってもその黒い塊は消えるどころか、さらにぷっくりと膨らみ、舌で触れると不気味な弾力があって、会話をするたびに歯に当たる違和感が拭えません。結局、仕事も手につかなくなり、意を決して近所の歯科医院を受診することにしました。診察台の上で緊張に震える私に、先生はライトを当てて患部をじっくりと観察し、優しく「これは典型的な血腫、つまり血豆ですよ」と告げてくれました。噛んだ刺激で毛細血管が破れ、内出血した血液が粘膜の下に溜まっただけであり、数日経てば自然に吸収されて元の色に戻るから大丈夫、という言葉を聞いて、ようやく胸を撫で下ろすことができました。先生のアドバイスによれば、無理に潰そうとすると細菌感染を起こして余計に悪化するため、なるべく刺激を与えずにそっとしておくのが一番の近道だとのことでした。その日から3日ほど経つと、黒かった色は徐々に赤紫に変わり、さらに数日後には嘘のように消えて、元のピンク色の粘膜に戻っていました。今回の経験で学んだのは、自分の身体の異変に対して過剰に怯える前に、まずは正しい知識を持つこと、そして何より専門家に診てもらうことの重要性です。たかが口内炎、されど血豆。あの数日間の心臓が痛くなるような不安を二度と味わいたくないので、今では食事をゆっくりとよく噛んで楽しみ、身体を労わる余裕を持つように心がけています。