あれは、大きな仕事のプレゼンを数日後に控えた、緊張と疲労がピークに達していた時のことでした。朝、歯を磨いていると、舌の裏側にズキンとした違和感を覚えました。嫌な予感がして鏡を見ると、案の定、舌の付け根近くに真っ白な口内炎ができていました。最初は小さなものでしたが、その場所が悪かったのです。舌を少しでも動かせば歯に当たり、話すたびに、唾を飲み込むたびに、鋭い痛みが走りました。プレゼンの練習をしようにも、痛くて呂律が回りません。食事はまさに地獄でした。温かい味噌汁が傷口にしみわたり、思わず声が出るほどの激痛。楽しみにしていた唐揚げも、衣が当たって食べられません。結局、その日の夕食は、味のしないおかゆを涙目で流し込むのが精一杯でした。市販の塗り薬を試しましたが、舌の裏側は唾液が多く、すぐに薬が取れてしまって効果は今ひとつ。貼るタイプの薬も、うまく貼ることができずにすぐに剥がれてしまいます。痛みと焦りで、夜もよく眠れません。このままではプレゼン本番を乗り切れない。追い詰められた私は、翌日、藁にもすがる思いで歯科医院に駆け込みました。先生は私の口の中を見るなり、「ああ、これは痛いでしょう。一番厄介な場所にできちゃったね」と共感してくれました。そして、レーザー治療を提案してくれたのです。レーザーを照射すると、患部の表面に薄い膜ができて、刺激から保護してくれるとのこと。治療は数分で終わり、麻酔も不要でした。すると、あれほど鋭かった痛みが、治療直後から明らかに和らいでいるのが分かりました。完全に無痛になったわけではありませんが、舌を動かしても激痛が走ることはなくなり、普通に会話ができるようになったのです。その日の夜は、久しぶりにまともな食事を摂ることができ、ぐっすりと眠れました。おかげで、無事にプレゼンも成功。この経験を通じて、我慢せずに専門家に頼ることの大切さを、身をもって学びました。