舌の下にできた白いできものや痛みを伴う症状を、多くの人は「また口内炎ができた」と自己判断しがちです。しかし、中には単なる口内炎ではなく、他の病気である可能性も潜んでいます。口内炎と間違えやすい、舌の下にできる病気をいくつか知っておくことは、早期発見・早期治療のために非常に重要です。まず、代表的なものに「唾石症(だせきしょう)」があります。これは、唾液を作る唾液腺や、唾液を口の中に送り出す管の中に、石(唾石)ができて詰まってしまう病気です。特に、顎の下にある顎下腺にできやすく、舌の下の付け根あたりが腫れて、食事の時などに唾液が出ようとすると、ズキンとした強い痛みを感じるのが特徴です。口内炎と異なり、腫れが食事のたびに大きくなったり小さくなったりを繰り返すことがあります。次に、「がま腫」と呼ばれる病気もあります。これは、舌の下にある舌下腺からの唾液の排出がうまくいかなくなり、唾液が溜まって袋状の嚢胞(のうほう)を形成するものです。舌の下が、カエルの喉のように半透明にぷっくりと腫れ上がります。通常、痛みはほとんどありませんが、大きくなると食事や会話に支障をきたすことがあります。感染を起こすと、痛みや赤みを伴い、口内炎と見分けがつきにくくなることもあります。そして、最も警戒しなければならないのが「舌癌」です。舌癌は、舌の側面にできることが多いですが、舌の下に発生することもあります。初期の舌癌は、治りにくい口内炎や、白いただれ(白板症)として現れることがあり、見た目だけでは区別がつきにくい場合があります。しかし、癌の場合は、周囲に硬いしこりを触れる、表面がデコボコしている、簡単に出血するといった特徴が見られます。これらの病気は、いずれも専門医による診断と適切な治療が必要です。2週間以上治らない、しこりがある、腫れを繰り返すなど、いつもの口内炎とは少し違うと感じたら、安易に自己判断せず、必ず口腔外科や耳鼻咽喉科を受診してください。