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顎の痛みが歯科でない場合の診療科選び
顎が痛いと感じた時、多くの場合は顎関節症を疑い歯科や口腔外科を受診するのが一般的です。しかし、中には歯科領域以外の原因が隠れているケースも存在します。もし歯科で検査をしても特に異常が見つからない、あるいは治療をしても症状が改善しない場合は、他の診療科を検討する必要があるかもしれません。例えば、顎の痛みと共に耳の閉塞感や耳鳴り、めまいといった症状がある場合は、耳鼻咽喉科が専門となります。中耳炎や外耳炎といった耳の炎症が、痛みを顎周辺に放散させている可能性があるからです。また、顎だけでなく首や肩にも強いこりや痛みを感じる場合は、整形外科の受診も考えられます。首の骨である頸椎の問題や、筋肉の過度な緊張が顎の痛みを引き起こしていることも少なくありません。さらに、見逃されがちですが、精神的なストレスが原因で顎の痛みが生じることもあります。強いストレスは無意識のうちに歯を食いしばったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりする原因となり、顎の筋肉や関節に大きな負担をかけます。このような背景が疑われる場合は、歯科での対症療法と並行して、心療内科や精神科でカウンセリングを受けることが根本的な解決に繋がることもあります。顎の痛みという一つの症状でも、その背景には様々な原因が考えられます。まずは歯科や口腔外科で顎関節そのものに問題がないかを確認し、それでも解決しない場合は、併発している他の症状を手がかりに、視野を広げて適切な診療科を探すことが重要です。