顎の痛みで病院を受診する際、限られた診察時間の中で自分の症状を的確に伝えることは、正しい診断と治療への第一歩です。しかし、いざ医師を前にすると緊張してしまい、何をどう話せばよいかわからなくなってしまうことも少なくありません。そこで、受診前にあらかじめ情報を整理しておくことをお勧めします。まず最も重要なのは、いつから痛むようになったかという時間的な経過です。突然痛み出したのか、それとも数ヶ月前からじわじわと痛むようになったのかを伝えましょう。次に、どのような時に痛みが強くなるかという点です。例えば、朝起きた時が一番痛い、食事中、特に硬いものを噛んだ時に痛む、大きく口を開けた時やあくびをした時に痛む、など具体的な状況を説明できると診断の大きな助けになります。また、痛みの種類についても、ズキズキするような鋭い痛みなのか、重く鈍い痛みなのかを表現してみましょう。痛み以外に、口を開け閉めする時にカクカク、ジャリジャリといった音がするかどうかも重要な情報です。さらに、口がまっすぐ開くか、それとも左右どちらかにずれて開くか、指が何本分くらい縦に入るかなど、開口範囲についても確認しておくと良いでしょう。そして、顎の痛み以外に、頭痛や首、肩のこり、耳鳴りなど、他に気になる症状がないかも思い出してみてください。これらの情報をメモにまとめて持参すれば、伝え漏れを防ぎ、医師も症状を正確に把握しやすくなります。的確な問診は、適切な検査や治療方針の決定に直結するのです。