インフォームドコンセントの場で、あなたはただ黙って医師の説明を聞いているだけでよいのでしょうか。答えは「いいえ」です。むしろ、ここからがあなたの出番であり、最も重要な役割が待っています。医師からの説明は、いわば治療という共同作業を始めるためのプレゼンテーションのようなものです。その内容に対して、少しでも「ん?」と思うこと、よくわからないこと、不安に感じることがあれば、遠慮なく質問をすることが、あなたに与えられた大切な権利なのです。「こんな初歩的なことを聞いたら、先生に失礼かな」「忙しそうだから、早く話を切り上げないと」などと躊躇する必要は全くありません。むしろ、あなたが疑問を解消し、心から納得することが、治療を成功に導く上で不可欠な要素となります。例えば、「この薬の副作用には、どんなものがありますか」「手術をしない場合、具体的にどうなりますか」「先生が私の家族だったら、どの治療法を勧めますか」といった具体的な質問は、あなたの理解を深めるのに大いに役立ちます。もし一度の説明で理解できなければ、「すみません、もう一度説明していただけますか」とお願いすることも全く問題ありません。大切なのは、あなた自身が「よくわかった。この治療法で進めていこう」と、前向きな気持ちで同意できることです。インフォームドコンセントは、医療者側からの情報提供の場であると同時に、患者側が知る権利を行使する場でもあります。受け身にならず、主体的に参加する姿勢が、あなた自身の体を守ることに繋がるのです。