お薬をもらう時も小さなインフォームドコンセント
インフォームドコンセントというと、手術のような大きな医療行為の前にだけ行われるものだと思っていませんか。実は、私たちが普段、風邪などで病院にかかり、薬を処方される場面でも、ミニチュア版のインフォームドコンセントが行われているのです。医師が診察を終え、「では、このお薬を出しておきますね」と言う。この時、もしあなたが「はい、わかりました」だけで終わらせているとしたら、少しもったいないかもしれません。ここにも、あなたの知る権利と選ぶ権利がきちんと存在します。例えば、医師や薬剤師から説明されるべき情報には、薬の名前や、何に効くのかという効果はもちろんのこと、いつ、どのように飲むのか(食前か食後か)、どんな副作用が出る可能性があるのか、といった重要な事柄が含まれます。副作用について事前に知っておけば、いざ症状が出た時に慌てずに済みます。また、今他に飲んでいる薬やサプリメントがあれば、それとの飲み合わせは問題ないかを確認することも非常に大切です。さらに、「この薬以外に、別の種類の薬はありますか?」「眠気が出ると仕事に差し支えるのですが、大丈夫でしょうか」といった質問を通じて、自分のライフスタイルに合った薬を選択することも可能です。たった一錠の薬であっても、あなたの体に入るものであることに変わりはありません。その薬がどんなもので、どんな影響を与える可能性があるのかをきちんと理解し、納得して服用する。この小さな積み重ねが、あなた自身の健康を主体的に管理していくための第一歩となるのです。