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子供の舌の裏の口内炎。考えられる原因と親の対処法
子供の舌の裏の口内炎は、大人と同じ原因でできることもありますが、子供特有の病気が原因である場合もあり、適切な対処が必要です。子供の舌の裏に口内炎ができる原因として、まず考えられるのが、大人と同様の「アフタ性口内炎」や、歯で噛んでしまったことによる「外傷性潰瘍」です。子供は、体の抵抗力がまだ未熟なため、少しの疲れや風邪、栄養の偏りでも、すぐに口内炎ができてしまうことがあります。特に、自分でまだ上手に歯磨きができないため、口の中が不衛生になりがちなことも、発症の一因となります。しかし、子供の口内炎で特に注意したいのが、「ウイルス感染症」です。「ヘルペス性口内炎(ヘルペス性歯肉口内炎)」は、単純ヘルペスウイルスの初感染で起こることが多く、特に乳幼児に好発します。舌の裏を含む、口の中の広範囲に多数の小さな水ぶくれができ、それが破れてびらんとなります。高熱と強い痛みを伴い、食事や水分が摂れなくなることもあります。「手足口病」は、その名の通り、手のひら、足の裏、そして口の中に水疱性の発疹ができる、夏場に流行しやすいウイルス感染症です。舌の裏にできた水疱が破れて、口内炎のようになり、痛みを伴います。「ヘルパンギーナ」も、夏風邪の一種で、高熱と共に、喉の奥や上顎に小さな水疱や口内炎ができるのが特徴です。では、親としてどのように対処すればよいのでしょうか。まず、口の中をよく観察し、口内炎が一つだけなのか、多数あるのか、水ぶくれを伴うか、そして、熱や手足の発疹といった、他の症状がないかを確認します。食事が痛くて摂れない場合は、オレンジジュースなどの酸っぱいものや、熱いもの、硬いものは避け、冷たいスープや、豆腐、ゼリー、プリン、アイスクリームなど、喉越しの良いものを与えましょう。水分補給は特に重要です。そして、最も大切なのが、自己判断せず「小児科」または「小児歯科」を受診することです。医師が、口の中の状態と全身症状から、原因が何かを正確に診断し、適切な治療を行ってくれます。ウイルス感染症の場合は、特効薬はなく、対症療法が中心となりますが、脱水症状を防ぐための指導や、痛みを和らげるための処置をしてもらえます。子供の痛みを和らげ、安心させてあげることが、親にできる最大のケアです。