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2025年8月
  • 子供が訴える奥歯の痛みは六歳臼歯かも

    知識

    ある日突然、お子さんが「奥歯が痛い」と訴えたり、食事の際に顔をしかめたりすることがあります。虫歯ができたのではないかと心配になりますが、もしお子さんが六歳前後であれば、それは六歳臼歯が生えようとしているサインかもしれません。この、歯が生える過程で起こる歯茎の痛みや腫れは「萌出性歯肉炎(ほうしゅつせいしにくえん)」と呼ばれます。六歳臼歯は、それまで何もなかった歯茎を突き破って生えてきます。そのため、歯が生えきるまでの間、歯の一部が歯茎に覆われた状態が続きます。この歯と歯茎の間にできた隙間は、食べ物のカスや歯垢が非常に溜まりやすい場所です。そして、溜まった汚れが原因で歯茎が炎症を起こし、赤く腫れたり、触ると出血したり、時には痛みを感じたりするのです。これが萌出性歯肉炎の正体です。もしお子さんがこのような症状を訴えたら、まずは落ち着いてお口の中をよく観察してあげてください。乳歯列の一番奥に、新しい歯が頭を出しているのが確認できるかもしれません。家庭での対処法としては、何よりもまずお口の中を清潔に保つことが重要です。痛がるからといって歯磨きを避けるのではなく、柔らかめの歯ブラシを使って、腫れている部分の周りを優しく丁寧に磨いてあげましょう。食事も、硬いものや刺激の強いものは避け、柔らかく食べやすいものを用意してあげると良いでしょう。通常、歯が完全に生えきれば症状は自然と治まりますが、痛みが非常に強い場合や、腫れがなかなか引かない場合は、歯科医院を受診することをお勧めします。これは成長の証ですが、適切なケアが欠かせない時期なのです。