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2025年7月
  • 昔の歯科インプラントでMRIは危険か?

    知識

    「私が入れたインプラントは、もう二十年以上も前のものだけど大丈夫だろうか」。このように、かなり以前にインプラント治療を受けた方の中には、ご自身のインプラントの材質について不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。現在ではチタンが標準材料となっていますが、インプラント治療の歴史の中では、様々な材料が試されてきた時期もありました。特に1990年代より前に治療を受けた場合、ごく稀にですが、チタン以外の金属、例えばステンレス鋼(コバルトクロム合金など)が一部で使用されていた可能性が全くないとは言い切れません。これらの金属の中には、磁石に反応する「強磁性体」も含まれるため、もし該当するインプラントが入っている場合は、MRI検査で発熱や移動のリスクが生じる可能性があります。では、どうすればよいのでしょうか。最も確実で最善の方法は、治療を受けた歯科医院に問い合わせることです。歯科医院には治療記録(カルテ)が保管されており、そこにインプラントの種類やメーカー、材質に関する情報が記載されているはずです。たとえ閉院していても、カルテが地域の歯科医師会などで保管されている場合もあります。まずは諦めずに連絡を取ってみることが重要です。もし、どうしても情報が不明な場合は、MRI検査を受ける医療機関にその旨を正直に申告してください。医療機関側では、安全が確認できない金属が体内にある場合は、原則としてMRI検査は行いません。患者さんの安全を最優先するためです。古いインプラントだからといって一概に危険と決めつける必要はありませんが、材質が不明な場合は、必ず専門家に確認するという手順を徹底することが大切です。